日記

天塩川ダウンリバーゴール
2021.07.27

天塩川ダウンリバー最終日。河口まで残り20キロ。昨日見えるかと期待した利尻島は結局見ることができなかったが、今日は間違えなく姿を現してくれるだろう。

ここまで、155キロを漕ぎ下ってきた。顔も首も両腕も見違えほどに黒く日に焼けた。最終日はのんびり漕いでもよかったが、海からの風が強くなる前の午前中にゴールしたかったため、8時過ぎに風も流れも全くない天塩川を漕ぎ出した。

出発から2時間ほどは集中して漕いだが、残り10キロを切ってからは、集中力が切れてしまった。それは、利尻島が霞む空の中に見えたからだ。待望の瞬間は突然訪れてたのだ。
何度か見失いながらも、徐々に輪郭がはっきりしてくる利尻山に、思わず「見えたぞ!利尻山が見えたぞ~!」と誰もいない川で叫んだ。
興奮と喜びは一時盛り上がったが、その後は冷静に。まずは天塩川を無事に最後まで漕ぎきってからだと、気持ちを引き締めた。

天塩川にかかる天塩川河口大橋の袂で、水分補給と食糧補給をしっかりとり、最後5キロを踏ん張った。しっかり漕いではゆったり漕いでを、短い間隔で繰り返した。そして、天塩川と海を隔てる岬の向こう側からは、徐々に波しぶきの音がはっきりと大きくなっていった。
もうすぐそこが日本海だ!

四万十川の時のように、海まで漕ぎ出てもよかったが、この日の風はやませ(陸からの北東風)のため、パックラフトでは確実に沖に流されてしまう。そこで、河口まで1キロ手前で右岸の砂浜に上陸し、最後は岬を横断して、日本海へと出た。
昨年の増毛町以来、約8ヶ月ぶりの日本海だ。
そして、あの時誓った「次帰って来るときは、利尻島に渡るときだ」がようやく現実となった。

その後、宿でパックラフトやライフジャケット等、6日間の天塩川ダウンリバーの旅で使った道具たちをキレイに洗い乾かし、片付けたあと、夕方には歩いて天塩川の岸辺へ。
赤く染まる空の中にくっきりと利尻島が見え、鳥のさえずりと、合間に聞こえる波音に耳を傾けながら、1人腰を下ろした。
言葉にならない感情…目には光るものが。

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