日記

天塩川ダウンリバー出発
2021.07.22

川から海へ。この挑戦中では2度目となる川下り。前回は四国の四万十川を源流点から歩きだし、パックラフトで約170キロを太平洋まで下った。
自然界の道ともいえる川を使って移動する新たな取り組みは、より自分自身の成長を促し、旅をより思い出深いものにしてくれた。
だが、今回は同じような川下りでも、心境には大きな違いがある。それは、300座目となった天塩岳(てしおだけ)から天塩川を下り、利尻島がある日本海を目指すからだ。
最後の1座へと、源流から徒歩とパックラフトで海を目指す。最後の1座を目指すのに、これ以上ない道のりだ。想像するだけで、ワクワクどきどきが止まらない。

8時過ぎ、ライフジャケットやパドル、パックラフト等を抱え、スタート地点となる士別市のつくも水郷公園へと歩いた。
7月中旬から毎日30℃を超える暑さ、ここ士別市もこの日の最高気温は32℃になる予報だ。川の上ならいくぶんか暑さがしのげるはず、逃げるように天塩川へと入った。
9時45分準備を整えて、175キロ先の日本海を目指し、6日間の天塩川パックラフトダウンリバーが始まった。

興奮気味に意気揚々と出発したが、早々にこれが想像以上に大変だということを理解した。
まずは流れる水量が少ない、それにともない浅瀬が多い。さらに、川の濁りがひどく、水温も高いときた。
今年は例年よりもかなり渇水だと聞いた。そのため、流れる速度も遅くなり、浅瀬が多くなることで、川の中での蛇行も多くなってしまうのだ。
容赦なく照りつける太陽と暑さが、初めて下る川、初めて見る景色への感動とこれから始まる冒険へのワクワクした気持ちを、早くも上回ってしまった。
それでも、決して心が折れたわけではない。
初日には、2つのダム(堰堤)をポーテージ(上流で一度上陸し、陸路で障害物を回避する事)しなくてはならなかったが、それ以降は河口まで一つもダムが無いため、150キロ以上もポーテージをする事なく下れるのだ。
ダム国日本で、これだけ長くポーテージ無しで下れる川は天塩川だけだ。
それだけあって、周辺自治体からはカヌー専用マップが発行されているほどだ。きっと川で他の川下り中の人にも会えることだろう。

久しぶりのパドリングで、身体の感覚が鈍ってることはわかっているため、初日は距離を短くし、隣の名寄市(なよろし)までの24キロを5時間で漕ぎきった。
初日から暑さにずいぶん体力が奪われてしまったが、まずは幸先のよいスタートが切れた。
明日はもう少し早く出発した方がよさそうだ。

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