日記

天塩川に沿って
2021.07.19

300座目天塩岳(てしおだけ)登頂から一夜が明けた。岩尾内キャンプ場に、クマゲラがせわしなく木を打つ音が森に響く音で目が覚めた。
256キロにもなる天塩川に沿って、炎天下の道のりを士別(しべつ)市内へと歩いた。岩尾内ダムの堰からは小さくなった天塩岳が見える。あと数日で、全く見えなくなってしまうだろう。寂しいのだろうか…?いや、それとは違う、なんと表現したらいいか分からない感情が、ニセイカウシュッペ山を登り終えた後から時々湧いてくる。
最後の一座となった喜び?
ここまでよくぞ繋いで来られたことへの誇らしさ?
ゴールに現実味が帯びたことへのドキドキ感?
どれもそうであり、そうではない感じだ。
不思議と、はっきりとした沸き立つ感情が無いのだ。

大雪山系縦走前、実家での停滞中に、縦走が無事に終わると残りは3座となることを想像した。日一日とゴールへと近づくことで、もっと抑えきれない高揚感や感動があると思っていた。しかし、それどころかすごく冷静だ。きっと、ゴールへの最後の一歩を踏み終えるまで気を抜いてはいけない、という気持ちが無意識に働いているからだろう。
ゴールまでには、天塩川の170キロのダウンリバー、利尻水道のシーカヤック横断、そして、最後の利尻岳登山…天塩川に沿って、田畑の中を炎天下で歩きながら、ぼんやりとそう感じていた。

昼食はジャンプ台がひときわ目立つ、朝日町のカフェで。メニューにはオーナーこだわりのメニューばかり、その中で天塩岳カレーを選び、天塩岳とのつながりを感じながら味わった。
午後は32℃の中をひたすら西へと歩いた。あんなに透き通っていた天塩川も士別市内に入る頃には濁りが出ていた。
明明後日(しあさって)から天塩川をパックラフトで河口まで6日間をかけて下る計画が始動する。

 この日記に書かれている場所はこの辺りです