日記

7年ぶりの道のり
2021.06.03

7年前、雨の中を弟子屈町(てしかがちょう)から走り、清里町(きよさとちょう)へと越えた峠道。それ以来となる同じ道のりを、今日は逆方向で夏のような強い日差しを浴びながら歩いた。

清里中心部を走る幹線道路から、釧網線(せんもうせん)を渡ると途端に民家はなくなり、農地が広がる。1つ目の峠を越えて、小清水町(こしみずちょう)と弟子屈町を結ぶ国道391号線に合流。さらに深い森となり、猛スピードで走り抜ける大型トラックの喧騒と遠く走り去った後に訪れる静けさから、自然界と人間界との差…乖離を感じてならない。
今歩いている舗装路は人工物であり、自然界を削り取り造られた道。その上を歩き続けている限り、自然界からすれば「一方的な」というか「手前勝手な」というか。道から見渡す森の中と、舗装路の上では、同じ空間を共有しているようで全くの違う世界なのだ。

舗装路から外れ、森の中を歩くこととなれば、スピードを上げて走ることも、足元を気にせずに歩くこともままならない。造られた道の上を歩き続けている限り、自然と相まみえることはかなわないのだろう。

映画館でネイチャー系のドキュメンタリー映画を最前列から観ているように、最前列(舗装路)から毎日、自然を五感で味わえる。この旅はずいぶんと贅沢である。

 この日記に書かれている場所はこの辺りです