日記

4月下旬なのにラッセル
2021.04.26

停滞から一夜明けると、イグルーの外は別世界となっていた。積雪は予報の倍以上に。30センチはありそうだ。吹きだまりはきっとそれを遥かに上回るだろう。
停滞により、体力が回復した後だったことを喜ぶべきか。

濃霧が晴れるのを待って、5時50分に出発した。
一昨日までは、頭を出していたハイマツや岩は、すっぽり雪に覆われてしまった。そのため、雪の中の状況がわからない。 勢いよく踏み出すと、ハイマツにアイゼンが引っ掛かったり、岩に当たりバランスを崩しそうになったり、さらに、浅いと思ったら深かったり、その逆も。初冬のようなとても厄介な雪の状況だ。

思いもよらぬ神経質な前進は、標高1700m付近まで続いたが、それよりも上部は雪の状態が良くなり、歩きやすくなった。しかし、1823m峰とコイカクシュサツナイ岳間と、そこからヤオロマップ岳間でも、標高が1500m前後まで下がる度に、一歩一歩、足元に注意をしなければならない状態が続いた。
北海道の4月の降雪は毎年のことで、ここで生活する人たちにとって驚くことではないが、山とはいえさすがにこの量の積雪は予想外というしかない。

前日の停滞が結果的には功を奏し、この日のビバーク地までラッセルを頑張りきることができた。ビバーク地はこれまでで一番雪の状態が悪く、思い通りのイグルーができず、さらに夜中は強風となり、降り積もった雪が巻き上げられて、イグルーの隙間から内部へと容赦なく吹き込んだ。それはまさに吹雪のようだ。何度も吹き込んだ雪が顔にかかり、なかなか寝付けない時間が続いた。ようやく風が落ち着いた頃には、日付が変わっていた。
今日のラッセルと寝不足による影響が明日以降に影響してくることは避けられないだろう。

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