日記

まさかのチャンス
2020.11.08

この日も朝から冷たい雨。朝食をいただきながら、眺める週間天気予報にも変化はない。今日の予報も昼過ぎまで雨が続くとあった。
「今日もジムでトレーニングかな…」と考えていたが、雨は朝までとなり、次第に低い雲が取れていった。
「まさかな~」と半信半疑で部屋の窓から、暑寒別岳方面を眺めていると、少しずつ青空が増え、太陽の光が雲の切れ間からチラチラと差し込んできた。
最新の天気予報を確認すると、ガラリと変わり、午後は晴れマークが並んでいた。
思わず「今日だったのか~」とこぼれた。

今朝まで吹き荒れた日本海の風もピタリと止んでいる。天気図はそんな天気になるようには見えなかったのだが、等圧線の間隔がかなり広がったことによるのだろうと推察した。

じっとしていられなくなり、12時前に昼食の買い出しを兼ねて、散歩に出た。午後はさらに天気が回復。気持ちのいい散歩ができてしまった。
りんごの収穫が進む果樹園の先には、また一層白さが増した暑寒別岳が見えていた。山の方も、11月に入って初めて穏やかな時間となっているように見える。
そして、もう一度、いや何度も山を見ては「今日だったか~今日だったか~」とぼやき歩いた。

しかし、この状況を読み切ることはかなりの困難だったと思う。毎日、毎朝、ほぼ毎時間最新の天気予報を確認し、刻々と変化する天気に素早く対応できるように努めてきた。だが、結果的には読み切れない変化もあるということだ。
暑寒別岳に登るためには最短でも1泊2日。前日早朝の天気予報で決行を判断するしかない。無論…博打覚悟で昨日決行していたら、この天候回復に運よく巡り合えたかもしれないが、そもそもこの回復を読み切れていなかったのだから、決行していたらよほどの大博打だろう。自分自身にはそれをする度胸も器量も経験もまだまだ足りていないどころか、不安やプレッシャーに耐えられないだろう。
特にこの時期の自然は、そんな大博打ができるほど簡単ではないということでもある。
根拠も確信もないがきっと来るチャンスを信じ、宿へと帰った。

 この日記に書かれている場所はこの辺りです