日記

つながりと出会い
2020.10.26

1週間前、余市岳(よいちだけ)に登るための宿泊先を探していた。しかし、当初予定していたホテルは、理由は分からないが11月下旬まで満室。何度問い合わせても、変わることはなかった。次に登山口から近い民宿にも問い合わせを続け、やっとの思いでつながったが、もう営業していなかった。さらに、最後の頼みにしていたところも、新型コロナウイルスの影響により、休業中となっていた。
結局、お手上げとなってしまい、小樽市内から夜中に出発して、登山口まで30キロ歩き、余市岳に登り、下山後再び市内まで30キロ歩くしかないと覚悟を決めかけた。もしそうなると、1日の移動距離は80キロ近くとなり、百名山の時以来となる。
それが、正直できるかどうか不安はあった。しかし、選択肢が無いのなら躊躇はしてはいられない。

でも、宿泊施設が本当にないか、もう一度インターネットをフル活用して検索した。初めて登る初冬の余市岳に、1日たっぷり時間をかけたかったためだ。
すると、「北海道バックカントリーガイズ」というキロロスキー場をメインにバックカントリースキーツアー運営している会社を見つけた。もしかしたら、うちのカッパクラブのように、ツアー参加者用に宿泊施設も兼ね備えているかもしれないと、早速ホームページにアクセスした。すると、予想通りにツアー参加者用のロッジがあるとあった。スタッフ紹介を覗くと、なんとそこでガイドの一人として知り合いの登山ガイドさんの名前があった。藁にも縋る思いで、SNSを通じて連絡。するとありがたいことに直ぐに返信をいただけた。さらに、所属先へ直ぐに連絡を入れてもらえた。
すると、その日の内に宿泊利用の快諾をいただくことができ、首の皮一枚でつながった。

スケジュールを伝えると、ツアー会社代表のガイドさんは25日まで、屋久島にてトレッキングツアー中ということで、26日以降であれば代表もいるということだったため、タイミングまでばっちりだった。
久しぶりに、人とのつながりを感謝した。

ということで、紅葉見頃の小樽市朝里川(あさりがわ)から赤井川村へと続く、国道393号線、通称メープル街道を標高650メートルの毛無峠へと上った。
途中、おたるワインの工場も見学。自分は飲めないが、日頃からお世話になっている方々にちょっと早いお歳暮を送った。
実は故郷富良野市も国産ワインの産地で、小さな時から馴染みがあった。もちろん、当時はワインではなくブドウジュースだが。そういったこともあり、、おたるワインの存在も知っていた。しかし工場に来るのは初めてで、ちょっと立ち寄るだけだったのつもりが、おたるワインについて歴史や道内のワイン事業についてなどの話を伺ううちに、気づいたら2時間も経っていた。ワインの代わりにぶどうソフトクリームを食べて、峠へと急いだ。

予想以上に交通量の多い国道を抜け、宿泊先として検討していたホピヒルズファームにて遅い昼食を食べた。
食後のコーヒーでお腹を落ち着かせていると、空の雲が流れ、その中から間近で見る初めての余市岳が、雪を纏って顔をのぞかせた。
10日前に羊蹄山から見たときは、鋭く尖った山容にみえたが、西側から見るその姿はどっしりと柔らかさがあった。雪化粧により、どこか優しい女性らしさも感じた。
明日の登山が一層待ち遠しくなった。

そこから、30分もかからずに、2日間お世話になる北海道バックカントリーガイズに到着。代表の塚原さん夫妻とは初対面にもかかわらず、とても温かく迎えていただけ、直ぐに打ち解けることができた。ログハウスのロッジが実家の雰囲気と重なった。
夕食時に塚原さんから、余市岳のことを教えていただけた。
この山を知り尽くしている塚原さんでも、スキー場オープン前のこの時期に余市岳には登ったことがないとのこと。この時期の魅力を是非見つけてきてほしいと依頼も受けた。
明日の余市岳はさらに身が入りそうだ。

 この日記に書かれている場所はこの辺りです