日記

出発前夜
2020.09.28

夜明け。朝日が差し込み、部屋が明るくなった。
寝間着のまま1枚羽織り、海へと駆け出す。風は北風、波はまだ高いまま。やはり海峡横断は明日だろうと確かめた。
午前中は世界で2番目に長い鉄道トンネル「青函トンネル」の青森県側の入り口を見学しに走った。

青函トンネルへと入っていく北海道新幹線「はやぶさ」を見ていると、両親からの電話が鳴った。電話に出ると、もう今別町に着いたという連絡だった。昼頃の到着予定が10時に。相変わらずせっかちな父だと思ったが、両親のサポート無くしては、津軽海峡横断は過去2回、そして今回もできないこと。無事の到着にほっとして、急ぎ宿へと走り戻った。

両親との再会は約3年ぶり。こんなに長く会わなかったことは記憶にない。
2人の元気そうな顔に自然と笑みがこぼれた。両親と一緒に海を渡ってきた愛犬ハルも元気いっぱい、久しぶりの再会からか勢いよく飛びかかってきた。

車からシーカヤックや荷物を下ろし、一旦準備を中断し、近くの食堂で海鮮丼を3人仲良く注文した。午後は明日の出発に向けて準備で大忙しとなった。
秀岳荘さんからお借りしたシーカヤックを試乗し、乗り心地やシートやペダル、ラダーなどの具合を確認。そのほかの必要装備や食料や飲料水などを抜かりないように何度も確認しながら、一つ一つしっかり準備をした。
全て終わったのは夕食後。両親は先に隣の部屋で寝入っていた。久しぶりに聞く父のいびきが懐かしかった。寝る前にもう一度汗を流し、10時過ぎに就寝した。

明日の本番に向けて、緊張感が高まっているのを感じていたが、それ以上に東北の地を離れる寂しさのような感覚が全身を包んでいた。自分自身、不思議な感覚だった。そのうち少しずつ落ち着き、いつの間にか夢に落ちた。

 この日記に書かれている場所はこの辺りです