日記

早池峰山
2020.08.16

早朝6時。お世話になった宿のご家族に見送られ、264座目早池峰山(はやちねさん)の登山口、小田越(おだごえ)へと11キロの車道を上った。
小田越の標高が1250メートル。宿からすでに登山が始まったような長い登り坂。息を切らしながら、2時間で小田越まで登りきった。

登山口で山を管理する地元の方から「田中さんで70番目です。」と言われた。週末で天気も回復することも相まって、早朝からたくさん方々が早池峰山に登りに来ているようだ。
身支度を整え 、登山口を8時40分に出発。小田越で標高1250メートルだから、山頂までは約600メートル。麓から数えるとすれば、すでに六合目まで来ている感じだ。(※実際には登山口スタートして順に一合目、二合目…となります。)
まだ、雲はまだ多いが、風が気持ちいい。早池峰山固有の高山植物を探しながら登った。
一合目から早速、森林限界となり、山は蛇紋岩(じゃもんがん)むき出しとなった。滑りやすい蛇紋岩に注意を払いながら歩いていると、ナンブトウウチソウがまだ綺麗に咲いている。間もなくして、ナンブトラノオもハヤチネウスユキソウを見つけたかと思って、喜んでいると、これは固有種ではないふつうのウスユキソウだとわかり、ぬか喜びに終わった。

長い登山口までの車道で頑張りすぎたため、五合目でペースダウン。一休みしてエネルギー補給をした。それからは、快調に登り一時間半ほどで山頂に6年ぶりに到着した。
6年前よりも長く山頂でのんびり過ごし、11時半に鶏頭山(けいとうさん)への縦走を開始した。

山頂を出てすぐに、誰もいない早池峰山の広大な岩とハイマツ、高山植物が咲く主稜線に感動した。中岳までの道のりは下り基調で、足元には蛇紋岩が続くが、全体的に歩きやすい。その間に、ようやくハヤチネウスユキソウも見つけることができた。

中岳への登り返しが始まると、オオシラビソの森となり、足場はぬかるみと倒木、時々訪れる岩場の連続となった。特に岩場は複雑で、毎回集中が求められた。中岳に到着する頃には雲がほとんど無くなり、強い日差しが容赦なく照りつけてきた。
中岳から鶏頭山までの道のりはさらに険しくなり、大小の岩場、ぬかるみ、倒木の連続となった。集中力を切らすとたちまち怪我をしそうなところばかり、暑さで体力が消耗する中での縦走は、久しぶりに余裕の無い状況へと追い込まれていった。
難所の連続を無事に抜けて、鶏頭山にたどり着いた時には疲れて、座り込んでしまった。

最後、もう一踏ん張りと、直ぐに立ち上がり、下山までしっかり集中を続け、午後4時前に無事、鶏頭山の登山口である岳へとたどり着いた。
下山したときには満身創痍だった。
早池峰山の見た目以上、想像以上の険しさに少し圧倒された登山となった。

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