日記

過ちのないように
2020.08.01

今日から8月がスタート。
岩手県側の宿から、歩いて1分で秋田県側へと戻った。
そして明日、焼石岳(やけいしだけ)へと登るため、東成瀬村(ひがしなるせむら)中心部へとひたすら人気のない国道を下った。

途中、栗駒仙人水(くりこませんにんすい)に立ち寄る直前で、茂みの中から熊がひょっこり顔を出し、突然の事で「熊だ!」と大声が出てしまった。熊も突然の事に慌てた様子で、森の中へと引き返していった。
その後は熊に遭遇することなく、大規模なダムの工事現場を過ぎた辺りで、ザッと雨が降り出したため、スノーシェッドで雨宿りをした。

午後は、日差しが出て暑くなり、最初の商店に立ち寄り、明日の食料とアイスクリームを購入した。すると商店のおばちゃんから「登山?」と聞かれ、「はい、明日、焼石岳に登ります。」と答えた。さらにおばちゃんが店を出る際に「過ちのないように~」と声をかけて下さった。一瞬、その言葉に違和感を覚えたが、尋ねると「気をつけて、何事もないように」ということだった。言葉の意味よりもその思いが嬉しかった。
再び雨が降り出す前に、宿へ到着。
宿のご主人がこのあたりの山を管理しているということで、明日の焼石岳について伺うことができた。

5年ぶりの山、前回は濃霧、雨、強風、低温だった。ほとんど山の記憶や印象が無い。
花の百名山でもある焼石岳。話を伺うと今が一番いいという。さらに、明日のルートは30年前まで、焼石岳の八合目で短角牛の放牧をするために、牛が歩いていたそうだ。放牧されたことで、牛の排泄物により土が肥え、今となっては広大な範囲で高山植物が咲き乱れているという。
また、予定していた三合目登山口よりも、ブナ林がきれいなすずこやコースがお勧めとのこと。明日の焼石岳は存分に味わうことが出来そうだ。
明日の出発に備え、月に一度のグレートトラバース3の放送を見て、直ぐに就寝した。

 この日記に書かれている場所はこの辺りです