日記

3ヶ月ぶりの一歩
2020.07.17

6時の目覚ましがいつも通りに鳴った。これまでは、二度寝をしてしまったが、今日は違う。3ヶ月待ち続けた旅の再出発の朝だからだ。

8時半の出発に合わせて、朝風呂、掃除、朝食、パッキング、そしてお借りした家の中を大家さん家族に確認していただき鍵を返却した。
出発前から町の人たちが見送りに駆けつけてくれ、表からガヤガヤと賑やかな声が聞こえてくる。最後にもう一度、忘れ物がないかを確認し、玄関で家の中へ「3ヶ月間ありがとうございました。」と一礼した。

表に出ると、たくさんの人たちが皆さん笑顔で拍手を送ってくれた。
「ようやくですね。寂しくなりますが、ゴールまで頑張って!応援しています。」とたくさんのエールをいただき、3ヶ月ぶりに新たな一歩を踏み出した。見えなくなるまで何度も手を振った。

少しずつ小さくなる町を背に、真室川町(まむろがわまち)へと続く峠道を力強く歩いた。もう、前に進んでもこの道を引き返すことがないと思うと寂しくもあった。
しかし、これだけ長く一ヶ所でとどまり続けたことが初めてだったため、なんだか新しい旅を始めるような気分だ。

この3ヶ月間で季節はがらりと変わり、4月の鳥海山が遠い昔のようにも思える。町から20キロで峠のトンネルに到着し、酒田市側に振り返り、深く一礼した。
真室川町へのトンネル出口へと駆け足で抜けた。
さあ、再び旅が動き出す。

 この日記に書かれている場所はこの辺りです