日記

夫婦山
2020.03.09

夜明けとともに、空が明るくなるのが分かった。部屋で準備を進めながら外を覗くと、空は青く、予報よりもいい方に天気が傾いてくれたようだ。昨日の縦走疲れはあるが、休んでいる時間はない。相変わらずのずっしりと重いバックパックを背負って、二岐山(ふたまたやま)の御鍋神社(おなべじんじゃ)登山口へと林道を歩いた。

林道も雪は少なく、谷間に差し込む日差しは春の暖かさだ。
その名の通り、大きな鉄鍋が社の前に逆さまで吊り下げられているという神社に参拝した。実物を見るとかなり大きな鍋だ。この地に落ちのびてきた平将門一行にゆかりがある神社とのこと。

ほどなくして登山口となり、登りはじめから急登となった。体の疲れはあったが、体はしっかりと動いてくれて、縦走の時よりも力強く登ることができた。

40分ほどで、最初の急登を終えて、ブナ平に到着。ブナ平からようやく左右対称のキレイな形をした二岐山最高峰の男岳を見上げた。青空にくっきりと見え、とてもこの先に一番の急登があるとは思えなかった。しかし、地図の等高線はかなり狭くなっている。
少し休憩した後に、男岳へと登りはじめると、あっという間に斜面はどんどん急になった。汗が噴き出し、息が上がる。最後は灌木をかき分けて、展望の開けた山頂へと立った。出発を1時間遅めたために、那須連山にはすでに雲がかかってしまったが、西側は素晴らしい眺めとなった。三本槍岳(さんぼんやりだけ)で見た時よりも飯豊(いいで)連峰が近くなっていた。

時間とともに、東からの風に乗り雲が湧いてしまったため、ゆっくりせずに、女岳へと向かった。男岳より少し低い女岳には、平成元年に山頂にて結婚式をされた方の記念樹があった。記念樹のあすなろに触れて、願うと幸福が訪れるとあったため、少しだけ幸福をもらえたらと触れた。

女岳からの急な下りに足をとられながらも無事に下山。時計をみると、まだ昼前だった。
午前中に登山が終えられるのはかなり久しい。
下山口にて、行動食を補給して下郷町(しもごうまち)の湯野上(ゆのかみ)温泉へと下りた。途中、集落の片隅に福寿草が咲き、その花の蜜を集める蜜蜂が、早くも仕事を始めていた。

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