日記

5年4ヶ月ぶりの忘れられない味
2019.12.27

朝から冷たい雨が、谷間に佇む湯野上温泉へと降り注いでいた。
会津若松へと続く国道は狭く、年末まで続く災害復旧工事の大型トラックからの水しぶきが幾度となく襲ってきた。寒さも強く雨足は弱まる気配はないが、今日はただ1つの目的のために、歩みは力強かった。
それは、会津若松名物のソースカツ丼を5年4ヶ月ぶりに食べるためだ。

5年4ヶ月前、今歩いている道を磐梯山へと走り、初めての会津若松市内へと入ると、市内に入って最初のコンビニエンスストアにて、地元の方から、「むらい」というソースカツ丼のお店を強く薦められた。
このときは、会津田島から磐梯山の麓まで約60キロを走っていたため、ゆっくりお店に入って、ランチをとる時間がなかった。
しかし、カツ丼と聞いて気持ちは揺らぎ、閉店間近のお店へと走った。
お店の看板メニュー、ロースカツ丼のソースを注文した。値段は1600円(当時)と高めだが、待つこと20分。
席に運ばれてきたどんぶりに入りらない豚カツの厚さと大きさに、驚愕したことを今でも鮮明に覚えていた。ボリュームも驚きだが、それよりも、厚さ3センチにもなる甘めのソースがかかった豚カツはとても柔らかく、20分近く揚げているのにもかかわらず、最後まで食べても油っこくなく、意外とあっさりしていたことだ。とにかく美味しかったことを覚えていて、またいつか会津若松に来たときには、必ず食べにいきたい味になっていた。
それが、歩き続けること4時間半、昼時に到着することができた。

5年4ヶ月前から店は建て替えられたようで、雰囲気は変わっていたが、店に入ると早速お店の女将さんや娘さんたちが、「よーきさん!お久しぶりです」と驚きを隠さずに、覚えてくれていた。とても嬉しかった。
早速、席に着いて、20分ほど待った。この待ち時間もいい!厨房では次々と分厚い豚カツが揚がり、席へと運ばれていくカツ丼を目にして、大きさは健在であることが確認できた。
注文して席に運ばれてきたカツ丼を目にした他のお客さんからは「これはスゴい」と聞こえてくる。
そして、5年4ヶ月ぶりに忘れられない味と直接ご対面となった。揚げたての豚カツからは湯気が立ち上ぼり、ソースと香ばしい香りが食欲をそそった。
小皿へどんぶりに入りきらない豚カツを一時的に避難させて、キャベツの乗ったご飯と一緒にバランス良く食べ進めた。
一口食べて、厚さと大きさからは想像ができない、柔らかな肉から溢れる肉汁とサクサクの衣、初代から40年以上受け継がれる自家製のソースが口の中で一緒になり、直ぐにもう一口食べたくなる。
あまりの大きさに、なかなか食べ進めても、減っていかない豚カツの量と、ご飯との配分をうまく調整し、最後に豚カツだけが残ってしまわないように気を付けた。

前回は見事に豚カツだけが最後に残ってしまった。その教訓を今回は生かすことができた。
5年4ヶ月ぶりの忘れられない味を、さらに忘れられない味にすることができた。食べ終わったあと前回は直ぐに走り出したが、今回は市内に宿泊のため、少しだけ余韻に浸ってから、女将さんたちに、お礼と「よいお年を迎えてください」と伝えて、会津若松駅前の宿へと歩いた。
夕方、雨は雪に変わり、年末年始は会津若松市内で過ごすこととなりそうな予感がしていた。

 この日記に書かれている場所はこの辺りです

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