日記

雪のコンディション優勢
2019.12.13

週間天気予報には1つも晴れマークがない。再びこの時期らしい天気に戻ったようだ。
宿のご主人からは、この時期に守門岳(すもんだけ)へ登る人がなんて聞いたことがないと言われ、伝えたときはとても驚いていた。
粟ヶ岳(あわがたけ)の時のように、快晴であればいうことはないが、そんなうまくいくわけもなく、やはりある程度は目をつぶらなくてはいけないとも考えていた。
しかし、雪山は1つの判断ミスで、取り返しのつかない結果となるというリスクが高いため、焦りすぎるわけにもいかない。

7時に宿を守門岳大原登山口へと出発。今年は営業していないスキー場内の林道を登る。途中からは除雪がされていないため、林道半分は、湿った雪の上をスノーシューで歩いた。
午後から回復傾向の予報を信じて、登頂60%、途中下山40%くらいの心構えで、8時過ぎに登山口を通過した。やはり宿のご主人の言うように、雪が積もってから守門岳へと誰かが登ったような形跡はなかった。
展望がある晴天であればなお良いが、大きな天気の崩れがなければ、展望は優先せずに、雪のコンディションを優先させることにした。この時期に守門岳を登るのは初めてのためだ。

積雪は12月としては少ないらしく、実際に登っていくうちに、積雪量や雪質から、当初想像していた状況からは大分駆け離れてることが分かってきた。
新雪の深い雪の中を腰位のラッセルを予想していたが、実際はスノーシュー向きの雪質で、急斜面では苦戦する場面もあったが、全体的には非常に順調に登り進めることができた。登山口から主稜線へ出るのに、コースタイム2時間40分のところを、2時間で登れてしまった。
標高1200メートル以上は、出発からずっと雲に包まれたままで、山頂が近づくにつれて、視界は悪くなり、ホワイトアウトとなった。
灌木が雪から顔を出していたため、ルートを外すことはなかったが、空模様に反して、雪のコンディションは上々で、宿を出発してからなんと4時間で登頂となった。
正直、こんなにスムーズに登頂できるとは出発時は思ってもいなかった。

風が強かったため、風下側に穴を掘り、風を遮れるようにして、晴れ間を1時間半待った。しかし、予報よりも回復は遅く、下山開始のリミットとなり、13時に下山した。
雪のコンディションに感謝しながらも、全く景色が見えなかったことにも、仕方がなかったと、納得させる自分がいた。

登山口が眼下に見えてきた14時にようやく晴れ間が出てきた。中腹で、30分ほど山頂が見えてこないかと待ったが、結局山頂部はすっきり晴れることはなかった。
夕食時、翌日の天気予報を見ていると、なんと朝から快晴だという。しかし、その晴天も午前中のみで、午後からは急速に悪化するという。
下山した時は気持ちは次の浅草岳へと向いていたが、この予報を見て、翌朝に快晴の中、朝日を浴びている守門岳を見上げて、登らずにはいられない自分の姿が目に浮かんだ。
そして、急遽予定を変更し、翌日再び守門岳に登ることを決めた。
もし、今日がなければ、もう一度登る決断は間違えなくできなかっただろう。

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