日記

師走へ
2019.12.01

今年も気がつけば、あっという間にあと1ヶ月となった。師走の朝は昨年と同様に、山頂で迎えることに。凍える朝になかなか寝袋から出られなかったが、避難小屋にも眩しい光が差し込み、「日の出だ♪」と飛び起きた。
扉を開けて出ると、強く身を切るような風と紅く眩しく強く輝く光を全身に浴びた。そして、飯豊連峰の主峰が朝日を浴びて、姿を見せた。
「美しい…」だが厳しさとともに寄せ付けない空気がびしびしと伝わってきた。この時期の飯豊連峰は初めてなのに、すでに、厳冬期の姿であることが不思議と分かった。

その後、山頂へと駆け上がり、山頂からの展望も目に焼き付けることができた。朝日連峰や月山も再び真っ白になり美しかったが、それ以上に、小屋から続く飯豊連峰の主稜線が、冬の厳しさと美しさを同時に感じさせてくれ、特別な時間となった。

小屋へ戻り、ようやく朝食に。時間を忘れていたため、予定よりも1時間ほど遅れていた。朝もスーパーで買ってきたシャウエッセンを野菜スープに加えて、ちょっとだけ贅沢に。バタバタと準備、小屋の掃除をして、9時過ぎに三度目の山頂へと登った。
日が高くなっても、飯豊連峰の厳しくも美しい姿は変わらず、予定よりも長く山頂からの景色をじっと見つめた。12月はあと何日、今日みたいな朝を迎えられるだろうか…限られた太陽を惜しむように、下山した。

終日晴天の予報も、実際は午後になると雲が広がり、宿へと着く頃には太陽はすっかり見えなくなっていた。次の太陽は予報によれば1週間後となる。
縦走にこだわりすぎずに、一座ずつに切り替えて正解だった。宿に着いてホッとしたからか、2日間の張りつめていた緊張の糸が切れて、どっと疲れが吹き出した。
区切りの240座目「杁差岳」が、これからますます厳しくなる冬の山の中に、わずかな美しさがあることを教えてくれた気がする。

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