日記

朝日連峰縦走2日目
2019.11.23

昨晩のラジオから流れてきた天気予報通り、日本海側は朝から晴れとなった。
ササッと身支度を整え、宿泊した狐穴(きつねあな)避難小屋に荷物を半分ほど残して、237座目の以東岳(いとうだけ)へと歩き出した。
4年前と同じ避難小屋に泊まり、同じように早朝出発したが、前回とは明らかに違うことがあった。それは、目指す以東岳が見えているということだ。
NHKの撮影スタッフより「4年前は夏でしたが、前回と比べて、どう見えますか?」と聞かれたが、すかさず「はい!4年前は土砂降りの中だったので、以東岳は全く見えませんでした。比べようがありませーん!」と返答した。

荷物が少なかったことや、稜線は雪が少なかったこともあり、サクサク進んだ。しかし、雪のコンディションは不規則で、全くない場所も有れば、たんまりと吹きだまっているところもあり、スノーシューを何度か着脱した。
登りになると昨日の疲れが全身に残っていることを痛感した。体のどこがではなく。体の芯から力が入らない感じだった。やはり、昨日の頑張りによる影響がしっかりと残っている。

昨日は遠く急峻に見えた以東岳も、今日は近く、どっしりと見える。
細かくアップダウンを繰り返し、最後の標高差250メートルの登りへと差し掛かった。風が強く抜ける場所なのだろう、雪はほとんどなく、途中からはスノーシューを脱いで登ることができた。力の入らない状態にとってはありがたかった。

そして、出発から2時間弱、4年前は暴風雨だった以東岳へと登頂した。
朝日連峰の北西一番端になる山頂からは、月山や鳥海山、飯豊連峰や遠く北アルプスまでも、微かだが見えていた。そして、この日これから縦走していく朝日連峰主稜線は、南からの強風により活発に雲がわいていた。そのため、最高峰大朝日岳は見えていなかった。

2度目にして初めてとなる展望を目に焼き付けて、長居はせずに狐穴避難小屋へと来た道を引き返した。
帰りは1時間半ほどで小屋へ到着、早めの昼御飯を済ませて、全ての荷物をバックパックへと詰め直し、再び20キロを超えたバックパックを背負い出発した。

2日目の最終目的地は大朝日岳山頂避難小屋。コースタイムは5時間20分、体の疲労具合を加味すると、休憩時間を入れて、頑張って歩いて同じくらいはかかると予想した。
風は大朝日岳へと近づくにつれて強くなり、視界も悪くなった。立ち止まる時間をなるべく減らし、我慢の後半戦となった。

昨日よりも気温が高くなったため、稜線の雪は緩み、スノーシューを履いていても埋まる場所が多く、重たくなった雪がスノーシューや足にまとわりつくことで、少ない残りの体力をどんどん削っていった。
さらに、雪のコンディションは以東岳方面と同じように、深くなったり、全くなくなったりと、使用する道具の選択を難しくさせた。岩が露出した場所でも、スノーシューを脱がずに歩くことも多く、転倒しないように集中力を保つのもやっとの時間が続いた。

中間の竜門避難小屋にて、荷を下ろし、しっかりとエネルギー補給するために、少し長めに休憩をとった。夏山シーズンであれば、あっという間に登れたり、縦走できたりする場所が、そうはいかないのが冬山登山。久しぶりの感覚にまだまだ体が慣れていないことを感じながらも、再び荷を背負って、雲の中に隠れて見えない西朝日岳へと向かった。
どこまでも続いていくような気持ちになりながら、西朝日岳を登頂し、積雪量が増えて、より深くなった中岳を目指した。
心身が重くなる中で、支えてくれたのは、なんとかコースタイムよりもわずかに早く縦走できていることだった。

視界が無い中で、中岳を超えると、前方の雲が晴れて、短い間だけ大朝日岳と直下の避難小屋が見えて、不思議と活力が戻った。なんとか16時過ぎに2日目も計画の行程を無事に歩き切ることができた。
差し込んでいた夕陽は一時だけ、その後は、時間の経過とともに外の風は強くなり、視界不良となった。

明日は計画では、大朝日岳を登頂後に、祝瓶山(いわいがめやま)へと縦走し、小国町へと下山する。次に控える飯豊連峰が気がかりで、少しでも早く進みたいところだが、過去2度の朝日連峰の経験が、焦る気持ちを思いとどませようとしていた。
悩むのをやめて、どちらにせよ翌朝のコンディションを確認してからの決断でも遅くはないと、早めに就寝し翌日に備えた。

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