日記

中央アルプス縦走再開
2019.06.17

宝剣(ほうけん)山荘にて2日間、嵐が過ぎ去るのを待った。
夜明け前まで、予報通りに嵐が静まるのかと思うほどに、山荘の窓をガタガタと激しく揺らした。まばゆい光が部屋に差し込み、2日ぶりに朝日を浴びた。
予報通りに嵐は過ぎ去ったが、新たな問題が発生した。それは、この2日間の冷え込みにより、外がカリカリに凍りついていたことだ。岩はツルツルに氷が張っていて、とても6時には出発出来そうになかった。

出発早々に岩峰の宝剣岳に登るため、ある程度気温が上がり、氷が溶けなくてはとても登れるコンディションではない。気温が10度くらいまで上がるのを待ってから出発した。
それでも、宝剣岳の険しい鎖場は日陰になるため、全く溶けていない所も多々あった。
凍りついてカチカチになった鎖を力一杯振って、氷を落としながら慎重に登った。当然足元はチェーンアイゼンを装着した。そして、予定よりも時間はかかったが、無事に抜けることができた。

その先は、空木岳(うつぎだけ)まで大きなアップダウンがつづくものの、比較的気持ちよく縦走ができた。中央アルプスの核心部とも言える場所だろう。2日間の停滞を挟んだが、縦走としての2日目がスタートしたと実感する。

嵐が空気を浄化してくれたのだろう、西には愛知県のビル郡や御嶽山(おんたけさん)などがはっきりと見え、東には南アルプスがズラリと見渡すことができた。富士山もひょっこり顔を出している。
懐かしい檜尾岳(ひのきおだけ)の避難小屋を山頂から眺め、雲が止めどなくわいては消えていく。宝剣岳から空木岳へと縦走するのは、三度目だが、こんなにも気持ちよく縦走できたのは初めてだろう。

午後2時に木曽殿山荘に到着、今夜と明日の飲み水を補給するために、木曽義仲(よしなか)の力水へ寄り道した。約5リットルの水を補給し、本日最後の登りを空木岳へと登った。
登頂時は山頂が霧に包まれたが、翌朝また通過するため、長居はせずに、宿泊地の駒峰ヒュッテへと下りた。小屋開け準備中の管理人さんがいたおかげで、快適な一晩を過ごすことができた。夕暮れにはいつの間にか雲が晴れて、素晴らしい日没を味わうことができた。太陽が沈んだあとのマジックアワーはなんとも言えない、色だった。
明日は中央アルプス縦走の山場でもある、藪こぎが待っている。しっかりと補給をして、早めに就寝した。

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