日記

中央アルプス前哨戦~経ヶ岳
2019.06.13

中央アルプスはどこからどこまでと聞かれたら、「空木岳から木曽駒ヶ岳まで!?」と答えてしまうだろう。しかし、実際は、南は大川入山(おおかわいりやま)から北は経ヶ岳(きょうがたけ)までと、約100キロにも及ぶ。今日はこれから、4年ぶりに経ヶ岳へ登る。
前回は9月だったため、山は秋へと進み、八合目付近のカラマツ林は、見事な紅葉だった。今回はその時よりも3カ月早く、麓は緑は濃く、標高が上がるにつれて、新緑が美しいことが予想される。

梅雨時期のため、雨が止むのを待った甲斐があり、登山口へと向かう間に、遠く南アルプスが覗えた。経ヶ岳の山頂付近も朝の雲が取れて、すでに顔を出していた。梅雨の中休みで、蒸し暑くなりそうだ。

水を多めに携帯し、登山口となる仲仙寺(ちゅうせんじ)にて挨拶をしてから登り始めた。
ここ仲仙寺は経ヶ岳と深い関わりがあり、開祖の慈覚大師(じかくだいし)が観音様を彫ったときに余った木に、お経を書いて山頂に埋めたことから、経ヶ岳と呼ばれるようになったという。登山道脇には、所々に古い石碑や石像に出会うことが出来る。
登る前に、副住職さんから、もしかしたら五合目付近に、ササユリがまだ咲いているかもしれないと聞き、七合目まで、密林のような登山道を行くため、それを楽しみに登った。

ところが、七合目まで来たものの、ツツジが咲き乱れてはいたが、残念ながらササユリは終わってしまったようだ。
蒸し暑さでかなり汗をかいたが、伊那谷の眺めが抜群の八合目で上着の汗を絞り、C3fitのサポートタイツには大量のハエやブヨが汗を吸いに群がった。

吹き抜ける風で、火照りも収まり、山頂へと向かった。九合目から先は、シラビソやコメツガの原生林となり、アルプスらしさを垣間見た。やっぱり経ヶ岳も中央アルプスだ。
登山時は沸き上がる雲で伊那谷や南アルプスを見渡すことができなかったが、下山時にはスッキリと晴れ渡り、経ヶ岳一番の眺めに出会うことができた。
登山道が往復コースだと、登山時は見えなかった景色を下山時に見ることが出来ることもあり、2度もチャンスがある。

途中で出会った登山者が、ご自身が登った山の中で5本の指に入るほど、「つまらない山」と言っていたが、この山の魅力に気づけていないのだろうと感じた。山の魅力は展望だけではない。展望を求めて登るのであれば、しっかりと下調べをして、自分の見たい景色を得られる山だけに登るべきだと思う。軽々しく「つまらない」と山を評価してはいけない。
下山すると夏の陽気に包まれ、中央アルプス前哨戦は上々の滑り出しとなった。

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