日記

最高潮の緊張の山
2019.05.13

久しぶりに高い緊張感に包まれて、妙義神社へ参拝。靴紐をいつもよりも固く結び、ヘルメットを装着して登山口に立ち、深呼吸を一つ、158座目の妙義山(みょうぎさん)縦走へと出発した。

今回のコースは妙義神社から奥社~天狗岳~相馬岳と縦走し、茨尾根(ばらおね)から後半の金洞山(こんどうさん)を東岳~中之岳と縦走を続け、中之嶽(なかのたけ)神社へと下山する。その間、幾度となく険しい岩場のアップダウンが繰り返され、一切の隙が許されない鎖場が続く。最大の難所はなんといっても、後半に控える60メートルの垂直の岩壁を登る鷹戻しだ。あまりの険しさに鷹も恐れて引き返したことからそう名付けられたそうだ。

奥社から本格的な鎖場が始まり、4年ぶり2回目ではあったが、初めて登る気持ちで、一歩一歩一手一手、しっかり呼吸をしながら集中して登った。
大袈裟かもしれないが、登りながら、時には下りながら、頭では常に「ここで落ちたら…」「ここで手を離したら…」と最悪の状況になることをイメージし、その恐怖から、慎重さと冷静さを保とうと努めた。なぜなら、この山は一つのミスで、帰らぬ人になってしまうからだ。

前半部分の最後は最高峰の相馬岳、一時の安堵を感じながら、険しさの増す後半の金洞山を眺めた。
休憩後、再び気を高め、茨尾根を抜けて、最大の難所「鷹戻し」の始まりに着いた。最初は10メートルの垂直のハシゴ、そのあとは連なる鎖にしがみつきながら、わずかな岩の手がかりに足を乗せて、ほとんど腕力だけで登る。
汗で握る鎖は滑りやすくなったとき、ふと下を見た。それまで、しっかりと力が入っていたはずの脚がガタガタと震えた。まずい!ここで滑ったら間違えなく死ぬ。だが、直ぐに気持ちを落ち着かせられる自分がいた。ふぅーと息を吐き、しっかりと力を入れて、最後の鎖を登りきった。張りつめた緊張感が弾けて、吐き出す息とともに、うぉーと叫んだ。

その先も、気の抜けない難所は続き、想像以上の岩場鎖場の連続で、無事に中之嶽神社にたどり着いた時の緊張から解放感で急にお腹がすいた。
妙義山の険しさに、たくさんの登山者が挑まれるが、この山は十分な装備、技術、経験、判断力、集中力を兼ね備えていたとしても、足らないかもしれない。
達成感よりも生きている実感の方が強かった。

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 この日記に書かれている場所はこの辺りです

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