日記

平成で半分
2019.04.29

緊張感が高いと、いつもなら気にも止めない些細なことから、悪いことを連想してしまう。奇しくも平成最後の山が極めて険しい戸隠山となり、さらに丁度半分となる150座目となる。
誰がこの筋書きを作ったのか、誰がこうなることを想像していたのか。偶然とは時に信じられない結果をもたらすが、まさかの平成で150座、令和で150座となりそうだ。

戸隠山はかなりの絶壁のため、雪が積もりにくい山ではあるが、全く無いわけではない。
地元の山岳ガイドの方々が1週間前に調査登山をされたときの情報を参考に、戸隠神社奥社から登ることにした。
2日前の積雪は、昨日のうちに溶けていた。寒暖の差が激しいため、日中溶けた雪が夜間に凍りつく。気温が上がってから登った方がリスクが低いと判断し、出発時間を遅めにした。

戸隠山は修験の山、険しい岩場が連続し、なんといっても山頂手前の蟻の戸渡りは一番の難所となる。夏場でも登頂を断念する登山者も少なくない。一度登ったことがあるだけに、雪が残るこの時期に登ることが、どれだけ難しく、リスクが高いことかが容易く想像できた。
登り始めると、想像よりは雪は少なかった。しかし、下山するまで緊張は片時も緩むことはない。いつも以上に時間をかけながら、落ち着きながら確実に登る。そして、最難関の蟻の戸渡りへと到着。全く雪も氷もなく、条件は良かったが、渡るのは4年ぶり…腰が引けながらも、この日一番の集中力で、渡りきることができた。

八方睨(はっぽうにらみ)に登り主稜線へ。雪庇に注意しながら、11時登頂することができた。
ようやく…たどり着いた150座目。決してあっという間ではなかった。
新しい時代になっても、これまでと変わらずに、一座、一座と登る挑戦は変わらない。

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