日記

また来てしまいました
2019.03.27

実は…昨晩、雪洞の上に落雷があった。雪洞の中にいたから助かったのだと思うが、すごい衝撃が脳天から突き抜けた。そのため、雷雲が過ぎ去ったあとも体が強ばったままになってしまったこともあり、寝坊をしてしまった。
入り口を塞ぐスノーブロックのすき間から光が差し込み、慌てて崩して外に出た。ぎりぎりセーフ!北アルプスの上から、神々しい太陽が現れた。

ゆっくりと見とれていたいところだったが、昨晩の天気予報で、夕方から天候が崩れるため、2泊3日の予定を早めて、今日中の下山に予定を変更した。直ぐに朝御飯と出発の準備へと取りかかり、予定よりも1時間半遅れて、7時半に国見山を出発する。

昨晩の霰(あられ)が10センチ以上降り積もっていたが、その下の雪はカチカチに凍っている。139座目の笈ヶ岳(おいずるがだけ)へと緊張感漂う縦走が始まった。クラックが走った雪庇、ナイフリッジな雪稜、固くしまった斜面のトラバース。集中力を維持し、出発から2時間半で、4年ぶりに笈ヶ岳の山頂に立った。
思わず両手を高々と挙げ、叫んだ!
その後、山頂碑に手を合わせ、4年前のお詫びと登頂させていただいたことのお礼を伝えた。

猿ヶ馬場山(さるがばばやま)のように山頂でゆっくりといきたいところだったが、両白山地(りょうはくさんち)の主稜線に打ち付ける風は、「今回も早く帰りなさい!」といっているようだった。
10分程のわずかな滞在だったが、感無量だった。そして、来た道へと引き返した。

帰りは1時間半ほどで国見山に到着した。雪洞の中に置いてきた荷物をバックパックに詰め、せっかく作った雪洞を30分かけて潰し、急ぎ足で三方岩岳(さんぽういわだけ)へと登り返した。
なぜなら、予報よりも早く天候が崩れ始めていたからだ。三方岩岳をヘロヘロになりながら越えると風下となり、風がおさまって、麓の集落も見えた。ようやく一息を入れることができた。

2日目はハードワークだったが、集中力を切らさないようにしただけあって、予定通り下山をすることができた。宿に無事着いたとき、張り詰めていた緊張感が切れたためか、重装備から解放されたためか、疲れがどっと吹き出した。そして、大きな安堵に包まれていた。
これでようやく、後ろを気にせずに北上していくことができる。
この3座を残してきたことは間違えなく正しかった。

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 この日記に書かれている場所はこの辺りです