日記

冬だからこその山
2019.03.25

昨年、骨折のために登ることを諦めた2座目は猿ヶ馬場山(さるがばばやま)、冬場はバックカントリースキーで賑わう山と聞くが、夏場は山頂へと続く道はない。野伏ヶ岳よりも雪が多いことを予想していたが、3日前の雨で一気に溶けたそうだ。豪雪地であるはずの岐阜県白川村も今年は3月にしてすでに雪がない。
雪に包まれる合掌集落を楽しみに来る海外からの旅行者も少し肩を落としていると聞いた。

雪が少なかったため、スキーでの登山を断念し、アイゼンとワカンを携えて登ることにした。前日にほんの少しだけ雪が積もったおかげで、気持ちのいい雪山登山となった。山頂までの道のりは、前半は急な尾根道だったが、後半は緩やかに標高を上げていく。杉林からブナ、ダケカンバ、オオシラビソの原生林へと変化していく植生のコントラストが美しい。
標高が1500メートルを超えると、オオシラビソやダケカンバの枝葉にビッシリと霧氷が着いていた。太陽の光が当たるところから、カラカラと音をたてて、落ちていく。

のっぺりとした山頂部は、どっさりと積もった雪のおかげで、夏場では決して得ることのできないであろう展望が迎えてくれた。振り返れば、真っ白な両白山地(りょうはくさんち)の全貌が露となり、山頂に立つと昨年縦走した北アルプスが屏風のように広がっていた。
風も穏やかで、背中に当たる日差しが「山頂でゆっくりしていきな」とばかりに体を温めてくれる。山は四季折々に様々な表情を見せてくれるが、この山はこの時期に登ってこその猿ヶ馬場山だと感じた。

下山時、最後の難関となる笈ヶ岳が見えた。和やかな雰囲気もピリッと緊張感に包まれた。
いよいよ、明日は2泊3日の行程で、笈ヶ岳へと登る。

※よいこはマネしないでくださいね。

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