日記

帰ってきました神奈川県
2018.12.01

丹沢山山頂での初めての夜明けは、ごそごそと出発の準備を進める他の登山者の気配で、目が覚めた。まだ外は薄暗い。
ダウンを着て外に出ると、気温は-3度とあった。風はなく、薄墨の空の下で富士山が、太陽の光が差し込んでくるのを今か今かと待っているかのようだった。

今日から12月、師走に入る。平成最後の11月が終わり、平成最後の12月が始まった。
丹沢山から大山へのルートはヤビツ峠へと縦走する最短ルートではなく、一度大倉尾根を下って、表参道から登ることを決めていた。
展望のいい縦走路を気分よく抜け、塔ノ岳に到着すると、週末登山で早くから登ってくる人の姿があった。皆登頂すると口をそろえて「おお~富士山だ~」と言っていた。僕もその一人だ。正面に山梨県側から見た富士山よりも少し形を変えた姿が見える。振りかえれば霞む空の下にうっすらと都心の高層ビル群も見えた。
岐阜県からあっという間に関東へと戻ってきたが、1月1日から11ヶ月もかけて「ようやく」という気持ちが強い。過去2回の旅ではとっくにゴールして、いつも通りの生活に戻っていたのだから。

塔ノ岳から通称「バカ尾根」ともいわれる激坂の大倉尾根を下っていくと、季節外れの陽気に誘われて、想像以上の数の登山者が登ってくる。皆額に汗をかき、息も絶え絶えといった様子だ。
久しぶりのにぎわう登山道、「こんにちは~お気をつけて~」と声をかけながら、登山者の間を抜けていった。途中では、京都から丹沢山まで登りに来たというご家族にも会った。お子さんの一人は百名山全山登頂を目指しているそうで、この日が58座目となるようだ。
僕を前にした子供たちの興奮っぷりもうれしかった。また、百名山の旅の時に温かく迎えてくれた山小屋に再会することができた。

標高が下がると自然と紅葉が目立つようになり、久しぶりの大倉尾根はとても快適だった。
縦走すれば今日中に登頂はできたのだが、それでは今までの旅と同じになってしまう。明日は、群馬県から神奈川県に移住してから、たびたび目にする大山へ。
登山口にあるいつもの蕎麦屋で、いつものメニューを食べ、麓の宿坊へと出発した。

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