日記

あれから4年
2018.11.10

2014年9月27日11時52分、御嶽山が噴火。グレートトラバース(百名山)挑戦中だった僕は、北海道富良野市の実家にて、テレビのニュースから知ることとなる。
たった3か月前に登った山が一変していた。次々と凄まじい状況が報じられ、言葉を失った。紅葉真っ盛りの週末だったために、大勢の登山者で賑わっていた最中のことで、死者は58人にもなり、行方不明者5人は未だに見つかっていない。
あれから4年の月日が流れ、噴火後初めて御嶽山へと登る。これまで、登ってきた数々の山とは、登る前から山への気持ちは違っていた。

今回は岐阜県濁河温泉(にごりごおんせん)から出発。針葉樹や苔の鬱蒼とした樹林帯を、霧に包まれながら進む。頂上部に着いても雲に包まれたままかも知れなかったが、天候回復を信じて登り続けた。

森林限界を迎えると、絵に描いたような、青空が広がり、御嶽山は雲海の上に姿を現してくれていた。
噴火当時の映像は今も目に焼き付いているが、このときは突然開けた景色を、素直に美しいと思ってしまう自分がいた。
噴火以降、徐々に噴火警戒レベルが引き下げられ、現在はレベル1。九合目までの登山が可能となっている。そのため、山頂の剣ヶ峰まで登ることは出来ない。今回の御嶽山は九合目の二の池まで登り、登頂とすることにした。

火山灰が堆積したまま凍りつく二の池の前に立ち、見上げる剣ヶ峰に向かって、静かに手を合わせた。
今後、火山活動が落ち着けば、入山規制も解除されるのだろうが、行方不明の方々やご遺族のことを思えば、決断は簡単なことではないと感じずにはいられない。
山はたくさんの恵みをもたらしてくれる一方で、時として甚大な力で襲いかかってくる存在でもあることを忘れてはいけないのだろう。

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