日記

北アルプスのランドマーク
2018.10.22

昨日、遭難者の救助を目の当たりにして、大キレットを通過して槍ヶ岳を目指すルートを見送った。
今年一番の冷え込みとなった横尾の朝は、7時でも-2度となっていた。
槍ヶ岳を目指すルートの中でも、一番は梓川と槍沢をつめていく登山道だろう。何度も歩いた道のりをせかせかと進む。槍沢ロッジで初めて、木々の間からちょっとだけ、槍ヶ岳の穂先が見える。
それからも、出し惜しみするように、チラチラと見え、少しずつ大きくなっていく。2時間後には天狗原に到着してしまった。

そのまま、登り続ければ槍ヶ岳へと最短距離でたどり着くのだが、今回は時間にもゆとりがあったので、以前から気になっていた。天狗池の逆さ槍ヶ岳を見て、穂高連峰の主稜線にそのまま登り、手前から徐々に大きくなっていく槍ヶ岳を見るルートに変更した。

天狗池の手前で、小さな沢が凍っていた。それを見て、初めて気づいた。「天狗池は凍っている?!」そして、天狗池に到着すると、全面凍っていた!やっぱり…
あきらめきれず、池の氷を割り、なんとか一部分だけだが、楽しみにしていた逆さ槍ヶ岳を見ることができた。かなり強引ではあったが…

そこから主稜線へとさらに標高を上げる。登っている途中には、穂高岳の荒々しい岩稜が見える。改めて、北穂高岳から縦走してこなくてよかったと直感的に思った。
3000メートルの主稜線からの槍ヶ岳は、最高の眺めで、槍沢から素直に登ってきただけでは味わえない景色を噛み締めた。
同じ目線から少しずつ大きくなっていく槍ヶ岳はこれまでにない感じだった。

そして、直下の槍ヶ岳山荘に到着すると、見慣れた穂先がそびえていた。すでに、先に到着した登山者が山頂へ向けて、最後の登りを登っていく。
山荘に荷物を置いて、必要なものだけを背負って、1年ぶりの山頂へ向けて登った。ここまで、幾度となく北アルプスの峰から槍ヶ岳を見続けてきた。そして、ようやくその頂きに立つことができた。見えてきた峰が槍ヶ岳からすべて望めた。
それを可能にしてくれた今日1日の安定したコンディションにも感謝した。
今回は99座目となった「槍ヶ岳」はやっぱり北アルプスのランドマークだ!

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 この日記に書かれている場所はこの辺りです