日記

1日3座更新
2018.10.08

結局昨日は、台風の影響により、1日中風雨が続いた。
夜明け前、出発の準備をする人たちの足音で目が覚めた。窓からは五竜岳へと登るヘッドライトの明かりが見える。山頂からの御来光を目的に登っていく。
うっすらと見える五竜岳の輪郭が、今日の好天を静かに伝えてくれた。

出発の準備をして、朝食を済ませて、外に出るとまばゆい光りが雲海の上から顔を出した。
五竜小屋の前で日の出を見守る人たちが「きれーい♪すごーい♪」と声を上げた。僕はバンザーイ♪三唱して荷を背負い出発した。

出発直後、西側の谷を埋め尽くす霧に写る自分の姿が目に入った。見事なブロッケン現象だ!人生初のブロッケン現象だ。出発からいい気分。
五竜岳で御来光を見た登山者がぞろぞろ下りてくる。入れ替わるように五竜岳に登頂した。

山頂からは360度素晴らしい景色だ。縦走を始めて5日目で一番のコンディションに恵まれた。五竜岳はこの日の一座目。このあと、鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳と3座を縦走するため、早々に日本三大キレットの一つ「八峰キレット」が控える鹿島槍ヶ岳までの長い縦走路へと進んだ。
不思議なことに八峰キレット以外のG4やG5など、キレットにもひけをとらない岩稜の4年前の記憶がほとんどない。「こんなに緊張が続く稜線だったかな?」と首をかしげるほど、険しい道のりが続いた。
大小のアップダウンを幾度と繰り返しながら、スゴい場所に建つキレット小屋に到着した。

キレット小屋はすでに小屋閉めされていたが、日向で休憩をしながら、目の前の八峰キレットと天高く見える鹿島槍ヶ岳の北峰を見上げた。
鹿島槍ヶ岳方面から、五竜岳方面へと向かう登山者が八峰キレットを終えて、ほっとした表情を浮かべる。そして、4年ぶりの八峰キレットへ進んだ。

コンディションが万全なので、いい緊張感を保ちながら、順調に抜けられた。
ホッとしたのもつかの間、見上げた鹿島槍ヶ岳への劇登りが続く。ゼイゼイハーハー♪ピッチを保ち、2座目の鹿島槍ヶ岳北峰に登頂。山頂からは足元にキレット小屋の屋根が見え、そして、五竜岳からの険しい道のりも見え、初めてホッとした。
前方へと向き直すと、双耳峰の鹿島槍ヶ岳の南峰が聳えていた。かっこいい!
耳から耳へと駆け降り、駆け上った。南峰のほうが北峰よりも40メートルほど高い。
山頂からは、五竜岳からの道のりとは対照的な心地よい稜線が続いていた。
12時を過ぎても、爺ヶ岳方面から登ってくる人の姿が見える。心地よい天候で登山者の顔もいい感じだ。

少しだけ鹿島槍ヶ岳での気持ちいい時間を長めに過ごし、ハイマツに覆われる3座目の爺ヶ岳へと向かった。黒部峡谷の十字峡へと続く深い谷は、カラマツとダケカンバがキレイに紅葉している。緊張から解放されて気持ちよく爺ヶ岳へと歩いたが、最後の登りはさすがに、1日の疲れが出て、バテ気味で85座目爺ヶ岳の登頂となった。

夕霧が立ち込める種池山荘に到着し、1日の疲れを美味しいご飯で労った。
明日から3日間は、山小屋がすでに営業を終了しているため、久しぶりのテント泊となる。

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