日記

濃霧の毛勝三山
2018.10.02

台風24号の接近により、馬場島(ばんばじま)にて3日間の停滞となった。なかなか、前進できないジレンマからか、後立山連峰縦走中に、雪のために下山する夢を見た。
意識しないようにしているのだが、山を目の前にしてはなかなか難しいようだ。

朝、ようやく劔岳の上空に青空が広がった。
麓の天気予報では日中は晴れる。山の天気は回復は遅いものの、午後にかけて回復とあったので、意を決して荷造りをした。
ようやく前進できる嬉しさと、初めて歩く毛勝三山の縦走路への緊張が入り交じっていた。
なぜかというと、猫又山までは登山道があるが、猫又山から釜谷山(かまたんやま)までの踏み跡はうっすらとなる。さらに釜谷山から毛勝山までは踏み跡は無くなる。事前情報では、ハイマツの中を進む場合もある。
久しぶりのバリエーションルートに自然と集中力と緊張感は高まった。

谷間を行く林道を上流に向かって歩き、途中からはブナクラ峠まで、沢沿いを細かいアップダウンを繰り返しながら登っていく。
ブナクラ峠が見えてくると、背後から雨雲が近づいてきた。やっぱり山は麓とは違い、台風一過とはならないなと改めて感じた。
雨の中ブナクラ峠に到着。引き返すかどうかを悩んだが、山の天気予報でも次第に回復傾向とあったので、信じて進むことに決めた。

猫又山への急坂はキレイに刈り払いされていて、事前情報よりも歩きやすく、快適に山頂まで登ることができた。刈り払いをしてくれた方に感謝だ。
しかし、濃い霧に山は包まれた。幸いだったのは降った雨はすぐに止んで、風下の東側斜面は穏やかだったため、からだが冷えすぎることがなかった。

猫又山から釜谷山へは、目と鼻ほど距離だが、霧は晴れずになかなか見えてこない。踏み跡はうっすらとあり、ピンクテープのマーキングもある。
事前情報よりも歩きやすく、草紅葉の斜面をトラバースするときに、方角の確認を怠らないようにすれば、濃霧の中でも安心して歩ける。今回の旅では濃霧の中での登山が極めて少ないので、今日の毛勝三山も記憶に残る日になりそうだ。

濃霧であっても、見えるものや出会いがあった。
チングルマなどの草紅葉、冬の準備を進める雷鳥さん。濃霧でしか味わえない感覚も久しぶりだった。それらを感じながら、3年ぶりの毛勝山に無事登頂した。

下山を開始して1時間後、標高が2000メートルを切ると雲の下となり、紅葉に迎えられながら、今日の登山を噛み締めつつ、片貝へと下山した。
相変わらずの毛勝山からのながーい下山道には、今回も感服だった。

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