日記

剱岳=緊張
2018.09.28

北アルプス北部の名峰「剱岳」、標高は3000メートルまであと一歩の2999メートル。日本にある山の中で、あと1メートル伸びて、3000メートルに届いてほしいと思う山だ。立山信仰の曼陀羅には鬼が住む針山のように描かれており、人々にとってそこは、登る山としての存在ではなかったということを感じた。昔から遠い存在の山だったのかもしれない。今でこそ、登山道が整備され、一歩踏み外せば谷底へと飲み込まれてしまうような岩場には鎖や梯子が架けられている。しかし、たくさんの人々を導いてきた立山から見る劔岳は今も昔もきっとその姿は変わらないのだと思う。
道標も鎖も梯子も、山頂を目指す人の姿も、離れてしまえば見えず、「どこをどう登っていくのだろう?本当に登れるのか」と剱岳を一目見れば誰もが思うに違いない。

登る日の夜明け、藍色の空が白け始めると、少しずつ剱岳が姿を表した。
剱御前小舎から出発。ピーンとはりつめた空気は、氷点下となっていた。続く登山道を歩き出せば、どんどん剱岳は迫ってくる。
そして、岩壁が空へとそびえていく、まさに岩の要塞だ。
鎖場は山頂までに9ヶ所もある。一つ一つを確実に、気を抜いてはいけないと握る鎖から、無意識に伝わってきた。
中でも、カニのタテバイは最高峰の緊張感を伴う。最後の鎖を登りきると山頂が目前となる。

4年ぶりの山頂は、他にも登山者も多くいらっしゃって、賑やかだった。
雲上の世界は他の山に立った時とは違い、特別な感じがした。それはきっと剱岳への険しい道のりを乗り越えてきたものにしかわからないだろう。
反面、剱岳は登る山としてではなく、遠い存在の山としていつまでも眺めていたい山だ。

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