日記

立山五座
2018.09.26

昨日の室堂は1日中霧に包まれたが、夜中には雲は晴れて、月明かりに照らされていた。トイレに起きて、窓からは立山のシルエットが見えた。

吸い込む空気は冷たい。2日間お世話になった室堂山荘を6時半に出発。
まずは、立山信仰の曼陀羅に描かれている、浄土山(じょうどさん)を目指した。

立山はすでに太陽の光を受けて、暖かそうだが、日陰はひんやりとしている。ウォーミングアップも兼ねて、浄土山まで一気に登った。浄土山に立つとまばゆい太陽の光と、左に剱岳、別山、立山、正面に雲海と後立山連峰、右に薬師岳、黒部五郎岳、槍ヶ岳といきなり本日のクライマックスのような世界が飛び込んできた。ここまで立山信仰の道のりをたどってきたことへの神様からの御褒美だと思う。
ゆっくりしていたい気もしたが、今日は盛りだくさん!立山三山縦走後は、内蔵助(くらのすけ)カールの氷河を見に下りて、別山に登り返し、剱御前小舎(つるぎごぜんごや)を経由して、奥大日岳をピストンする。
意外にもコースタイムは12時間30分もある。

一の越まで駆け下りて、雄山へと登る。
富山県内の小学生はみんな学校登山で室堂から立山に登るのだからスゴい!と感心しながら、この旅初の標高3000メートルに立った。
登拝料を納めて、雄山神社峰本社に向かった。お社では、他の登山者が神主様よりご祈祷を受けていた。立山に登るのは3回目だったが、ご祈祷を受けるのは初めてのことだ。案内の通りに峰本社に立つと、ご祈祷前に登頂の写真撮影する時間をいただけた。その後、10分ほどのご祈祷となった。話を伺うと7月から9月末までの間だけ、峰本社に登拝する人は、だれでもご祈祷を受けることができるという。
今までとは違う道をたどり立山に登ったため、初めて立山を登れた気がした。また、心構えは登山というよりも登拝だった。

その後は、霜柱や氷が張った水溜まりをみて、3000メートルを感じた。立山最高峰の大汝山(おおなんじやま)、剱岳と同じ標高の富士ノ折立(ふじのおりたて)を登り、真砂岳(まさごだけ)から、内蔵助山荘(くらのすけさんそう)に荷物を置いて、内蔵助カールの氷河見学へ行った。

立山駅前の立山カルデラ博物館で氷河を発見された先生から、直々に解説をいただいた氷河を実際に見られるのは感動だ。
氷河の上には雪渓が乗り、岩や砂が被っているために、足元に20メートルにもなる分厚い氷河があるとは想像つかない。また、氷河の底の氷は1700年前のものだという。人が一人入れそうなムーランを覗き込むと、溶けた水が流れ落ち、底が見えないほど暗かった。
何も知らなければ、万年雪としか思わない氷河も、事前に勉強したことで、感動は大きくなった。

内蔵助山荘に戻る頃には、いつの間にか辺りは青空から霧に包まれていた。
別山も真っ白、剱御前小舎に着いても真っ白、山の天気予報を見ると、午後から天気は下り坂とあった。氷河見学へ行ったために、剱御前小舎への到着が予定よりも遅れていたこともあり、午後からの奥大日岳への登頂はあきらめて、ちょっと早いが小舎にてゆっくりと時間を過ごした。

予定を変更してゆっくりしていると、そういうときに限って、天気は回復するもので、スッキリと霧は晴れてしまった。
まぁ、山の天気は本当に気まぐれだから仕方ないとあきらめて翌日に備えた。

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