日記

京都へ
2018.07.27

奈良県にこの旅で初めて入ってたのは6月30日。それから大阪、和歌山、三重との県境を行ったり着たりを繰り返しながら約一ヶ月、ようやく奈良県を離れる日が来た。
天理教の建物が並ぶ独特な雰囲気の天理から、途中で奈良公園を経由するルートで京都へと北上した。
奈良公園や東大寺にくるのは高校の修学旅行以来となる。

奈良公園といえば、鹿だろう。
「ハロー!ワン?」と売り子のおばちゃんが言う。サングラスをはずし「こんにちは、日本人ですよ、ひとつ下さい。」と返すと「日本人よりも外人ばっかりだから、ごめんね~」と話した。本当にそのとおりで、夏休みに入っているが、見かけるのは8割以上が海外からの観光客だった。売り子のおばちゃんから一束200円で購入した。18年前よりも高くなったかな?と思いながら、鹿せんべいを手にするとおばちゃんから「はい歩いてね~」と言われるうちから、さっきまで座ってのんびりしていた鹿たちが集まり出し、あっという間に囲まれた。
注意書きには「じらさずにあげてください」とある。すぐにあげないと鹿が頭を寄せてどついてくるのだ。立派な角を持った鹿からどつかれると結構怖い。子供なら簡単に倒されてしまうだろう。そして、あっという間に鹿せんべいは消えていった。
それにしても奈良公園の鹿は不思議だ。山でよく見るニホンジカと同じ野生なのに人に慣れている。公園以外の車道も平然と歩き、横断するまで車が停車して待つ光景はここならではだろう。

東大寺大仏堂への参道は大にぎわい。大半の人は鹿と写真を撮るのに夢中になっていた。
日本一大きなの木造建築は変わらず迫力があった。大仏堂の中に入ると、これまた大きな大仏様と対面した。柔らかなお顔をされていたが、目が合うとすべてを見抜かれてしまったような気持ちにもなった。
大仏堂の中をぐるりと回り、北東にあたる柱にあいた穴をくぐる「柱くぐり」の列に並んだ。穴の大きさは大仏様の鼻の穴と同じと言われ、一度くぐれば無病息災のご利益が得るといわれてもいる。
そして、自分の番が来た。18年前もくぐれたので、ほとんど体型が変わっていない今でもくぐれる自信はあったが、穴の大きさを間近で見ると想像以上に小さく、周りの人からの視線や「ほんとにくぐれるの?」という言葉に緊張が高まった。
片腕を伸ばし頭から入った。途中少し引っかかったが、スムーズにくぐることができて一安心した。周りからも小さく「おおー」という声が上がった。

それから、東大寺を発ち、京都と奈良の県境にある飲食店で、名物?カツ丼の大盛りを平らげて、京都へと入った。
午後からは蒸し暑さがさらに厳しくなり、あまりの暑さにコンビニへ避難する場面もあった。人生三度目となる京都は猛暑で迎えてくれた。

 この日記に書かれている場所はこの辺りです