日記

牛のツノ
2018.04.03

初めての漁家民泊となった「浜の小屋」の女将さんに見送られて、国の天然記念物になっているという「磁石石」がある高山に向かった。
その途中、牛の畜産農家の方と育てている黒牛に出会った。人懐っこい母牛の鼻を撫でると、ご主人が、「この母牛は高齢でもあるが、比較的おとなしい血統だ」と教えてくれた。
牛はメスでも角が生えるのは、九州を歩いているときに知ったが、オスメス関係なく牛は基本的には気性が荒いという。なので、どつかれてケガをしないようにツノを切ってしまうのが普通だが、ツノも意味があって生えてくるものだからと、ご主人は切らないという。

だが、おとなしい母牛のツノを見ると、先が切られたようなあとがある。理由を聞くと、この母牛のツノは珍しく内側(自分の頭側)にカールするように伸びてしまったため、先が頭に刺さってしまったそうだ。そのままほっとけば、自分のツノで頭蓋骨を割ってしまうために、仕方なく切り落としたという。そのあとも伸び続け、平らになった部分が頭にぶつかったため、再度切ったらしい。ツノも人間の爪のように切ってもまた伸びるため、あと2ヶ月もすればまた切らなくてはいけないとのことだ。
自分のツノで死んでしまうことがあることを聞いたことはあったが、実際に見るのは初めてだった。
大人しかった母牛もご主人にツノをさわられると、嫌なのだろう、奥へと下がってしまった。
長い歴史の中で、牛と人間との関係は変わらず、犬のような主従関係ではないため、どんなに大切に育てても、家畜として扱われている以上は、人間側もしっかりと距離をおかなければいけないと最後に話してくれた。

その後、高山が古くからの霊山であり、昔は神山と言われていたことや、山頂にある磁石の磁力が強いときは、海上を行き交う船舶の羅針盤をも狂わせるほどだったことを中腹にあった宝泉寺で知ることができた。
山頂の磁石石はすでに磁石が弱まってしまったのか…金属がくっつくことはなかった。しかし、山頂からの展望は最高に良かった。
下山は激しい藪こぎとなったが、一日の疲れをキャンプ場近くの温泉と夕食のカツ丼で労った。そして、満天の星空の下に張ったテントでの就寝となった。(テント泊はこの旅初)

 この日記に書かれている場所はこの辺りです