日記

漁家民泊
2018.04.02

世界一標高が低いといいう火山の笠山へ向かう。その前に明治維新から150年ということで萩市を離れる前に、松下村塾に立ち寄った。桜が小風になびいてはチラチラと花びらが足元へ。もうすぐ今年桜も見頃が終える。少し寂しさも感じながらも、今回も旅と季節を彩ってくれてありがとう、と桜を見ながら思った。

萩市には3回目の訪問だが笠山の存在は知らなかった。笠山の麓には明神池という天然の塩水池があり、池の中は鯉や鮒の淡水魚ではなく、なんと海にすむ魚たちが群れをなして回遊していた。
パンの耳を池に投げ込む子供を見ていると、鯉が群がるように無数のボラが口をパクパクしながら群がっていた。塩水池自体珍しいのだが、それ以上に、池に住む海水魚たちの姿がなんとも不思議な光景に思えた。
ちなみにパンの耳を空高く投げると、今度はトンビが見事にキャッチをして飛び去る。岩のすき間から海水が流れ込んでくるために、池は天然の水族館のようになっていた。

そこから、笠山へと向かうと、山頂の桜が満開となり、それを求めて花見にくる観光客で賑わっていた。パッと見は桜や椿が咲く小さな山の公園だが、よーく足元の土を見ると他の火山でも見るような色や質をしている。山頂からは火口に下りることもできて、はっきりと火口だったことがわかるはずだ。

展望台には、笠山や日本海に浮かぶ萩六島(六島諸島 ろくとうしょとう)について、1,500万年前から現在までの成り立ちについて詳しく解説がされていた。
現在、島に見えるのは、日本がまだユーラシア大陸の一部だった頃からの火山活動によってできた溶岩台地が島になっているとのこと。火山の力はとてつもないことを実感した。

展望台から眺める萩六島はとても美しかった。
さらに阿武町に入ると、宿までは海岸線に沈む夕日に見とれながら歩くことができ、感無量だった。

日が落ちた7時頃、人生初の漁家民泊「浜の小屋」にたどり着いた。
なんともいい雰囲気の御夫婦が営む民泊宿は、アットホームで、漁師をしているご主人の作業小屋を自分たちで改装したという部屋が今晩の寝床になった。

部屋の壁には今まで泊まったお客さんのメッセージがたくさん書き込まれていた。メッセージを読むと御夫婦の人柄やおもてなしに感謝する声がいっぱいあった。僕も壁の一角にメッセージを残させていただいた。一番嬉しかったのは、新鮮な海の幸や季節を感じる手料理だった。そして、あまりの量にビックリ。笑顔が自然とこぼれるほどに満たされて、夜はさざ波の音を聞きながら寝静まった。

 この日記に書かれている場所はこの辺りです