日記

待機6時間
2018.03.01

春の嵐がものすごい勢いで通り過ぎていった朝、雨は止んでいたが、強い風と分厚い雲が阿蘇を包み込んでいた。
天気予報では、午後から晴れてくるとあったため、それを信じて阿蘇山西駅へ向けて登り始めた。
登る最中、昨日3年半ぶりに火口見学への入山規制が解除となり、それに合わせて阿蘇山高岳への登山の規制も解除となったことへの偶然な巡り合わせに不思議な気持ちに包まれていた。

実際には、昨日は嵐の影響で、火口付近の霧が晴れることなく、入山規制が解除されることはなかったとのこと。今日が事実上の入山解除となるかもしれなかった。
出発から2時間ほどでゲートのある西駅へ到着した。辺りは真っ白、太陽の光は遠く、ゲートは閉ざされたままだった。
受付のスタッフに規制解除の確認をする。ゲートの解除は火口の近くにある中央観測所からの指示によって決まると説明していただいた。

阿蘇山の火口見学は、国内で火山活動による入山規制がかかっている範囲内に立ち入ることができる場所としては、かなり珍しく、もしかしたら唯一の場所かもしれない。そのため、解除決定は細心の注意が必要なのだと思う。
解除されればよし、天気予報を信じて、駅舎内で何度も外を覗きこんだり、出て風の強さや雲の流れを見たりして待ち続けた。

1時間、2時間、3時間が経過して、少しだけソワソワした。なぜなら、火山規制の範囲内に入らないルートから登れば、高岳までたどり着ける方法はあったが、濃い霧が晴れることが無い中で登っても…という気持ちがあった。さらに山頂付近は風速は20メートルとあったため、登りたい気持ちよりも、雲が晴れたときに登りたい気持ちが強かった。

それからさらに3時間が経過して、火口見学への循環バスが街へ下りていくのを見て、今日の入山規制が解除されることがないことを悟った。受付のスタッフに確認すると、やはり今日の解除はないとの返答をいただき、仕方ないと気持ちを切り替えて、南阿蘇村の宿泊先へ下山した。
あらためて、山の天気は変わりやすく、予報通りになることはないと感じた。明日の快晴を期待した。

 この日記に書かれている場所はこの辺りです