日記

五感で感じる屋久島の山
2018.01.02

2日目は日の出から出発、前回よりも時間に余裕を持つことで、冬の屋久島の山々を五感を通じて感じた。
標高が1,600メートルを超えると沢の水は氷となり、素晴らしいほどの太陽の光に照らされて、神々しく輝いていた。
靴にチェーンアイゼンを装着し、うっすら雪化粧をした九州最高峰の宮ノ浦岳を目指した。

標高が上がるにつれて、眼下には太平洋の大海原が広がり、いつしか笹に覆われた山肌から突き出たいくつもの奇岩群に囲まれていた。長い年月をかけて成長する屋久杉のように、奇岩もまた長い時間をかけて、個性的な形へと変化していったことがうかがえた。

そして、2日目の午前11時前に301分の1座となる宮ノ浦岳に登頂した。
360度に広がる大展望にまたひとつ感動。1年を通して雨が多く、山頂から海を見渡せることが数少ないこの山で、貴重な日に当たる事ができたことはかなりの幸運なこと。今回の旅のスタートを祝ってくれているような時間となった。

山頂直下の祠にて「嶽詣り」をして、もうひとつの目的を達成し、下山を開始した。

途中、屋久島でお世話になっている友人から永田岳に登ることをおすすめされていたので、分岐に荷物を置いて、永田岳の山頂を目指した。
宮ノ浦岳とは対象的な花崗岩の岩峰と山頂直下の岸壁その麓には永田の集落が見える。宮ノ浦岳を目指す中でなかなかその全体像が見えてこないが、永田岳の山頂からは、屋久島の中心でどっしりと構える姿が一望できた。そして、ようやく冬の宮ノ浦岳に出会うことができたと感じた。
宮ノ浦岳を登るときはぜひ、永田岳にも登って欲しい。

この時すでに午後1時を回っていたため、下山は走り続け、あっという間に駆け下った。
白川雲水峡に着いた時にはすでに暗くなり、満月の月明かりの中、宿へ続く道を走った。

前回よりも倍の時間をかけて、登った宮ノ浦岳だったが、充実感は比べ物ならないほど満ち足りていた。
屋久島がより身近に、そしてより好きになった。

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