日記

一年待ちました!
2018.03.29

連日の好天により、桜は駆け抜けるように満開となっていく。歩くだけで汗が滝のように今日も流れ出す。
春休みになり、行き交う車はレンタカーや県外ナンバーが目立つ。車窓から見れば、美しい日本海が広がって見えるだろうが…歩くスピード、歩く目線で行けば、海岸線は国内外のごみの山だ。やるせない気持ちに包まれて、人間は何のために存在するのかと考え込んでしまった。

とそんなときに、土井ヶ浜にある人類学ミュージアムの看板が目に入った。糸口を探るような思いで入館した。しかし、答えは見つからず、久しぶりに難しい情報で頭が一杯になったので、シュークリームとプリンを食べた。今すぐに解決するわけではないと、気持ちを切り替えて、角島(つのしま)を目指した。

角島は、以前から山口県で行ってみたい場所の1つで、5年ほど前に角島大橋ができとから、島は活気づいたと聞く。また、インスタグラムの影響により、今では国内外からたくさんの観光客が来る場所となっているそうだ。

角島に向かっている途中で1台の車が止まり、降りてきた御夫婦から「一年間お待ちしていました!」とエネルギー溢れる声を掛けてくださった。
特に奥様の方は、熱が入り…
「三百名山が始まるのを知ってから、山口県は目的の山がないから、大分から四国にわたってしまうんじゃないか…来てくれないんじゃないかと思って、ずっと心配していたんです!それで、今日は数日前に下関に渡られたと知って、山口県に来てくれたことがスゴく嬉しくてどうしても直接会って、一言お礼が言いたくて来ました!」
と感情を目一杯込めて話してくださった。
僕は少し圧倒されながらも
「そんな大げさですよー僕は山口県を歩かせてもらって助かっています。行きたかった角島にもこれから行きます。」
と返した。
「やっぱり角島にも行くんですね♪山口県を満喫してくださりありがとうございます!これからも応援しています!」
と再び熱が入った言葉をいただき、
「ありがとうございました!お気をつけてお帰りください」
と一礼して、角島へ向かった。
終始控えめな御主人と、感極まった奥様の雰囲気が印象的だった。

その後、予想以上の観光客で賑わう角島大橋を歩いて渡り、角島に上陸した。角島を満喫する時間はなかったが、歩きたかった角島大橋を渡れただけで満足だった。橋自体は路肩が狭い上に、交通量も多いため、歩いて渡る人は一人もいなかったが、橋の下に広がる澄んだ海を見ながら歩くのは格別だった。
ただし、少しでもインスタ映えするために、道のど真ん中で寝そべったり、道を塞いだりする観光客がいるそうで、注意書の看板や巡回のパトカーから注意されている場面もあった。
橋ができたことで新たなメリットができた一方で、そこには新たなデメリットも発生してしまっていることを知った。
「インスタ映え」が利用者の競争心を煽っているようにも思えてならない。
夕方、電波塔のある大浦岳に登り、一日一山を実践し宿へと落ち着いた。

 

 この日記に書かれている場所はこの辺りです