日記

あれから七年…
2018.03.11

気持ちのいい朝日の中、金泉寺で出発の鐘を一撞きして、お世話になった山小屋をあとにした。
佐賀県最高峰の経ヶ岳に登頂すると三角点の脇に銀色のボックスがあった。何が入っているか恐る恐る開けると、中には登頂記録を書き込むノートが入っていた。過去の記録に目を通し、面白いコメントを残しているのを読んでは笑った。
笑いながら自分は何を書こうか思案した。
ここまでの経緯も含めて、余白一杯に書いた。
何を書いたかはもう忘れてしまったが、また登りにくる機会があった時の楽しみとしようと思う。

いつもながら下山はあっという間、太良町から祐徳稲荷神社(ゆうとくいなりじんじゃ)に向けて、のどかな林道を歩き、ひばりやウグイスの鳴き声に耳を傾けてはあまりの心地よさに眠気に襲われた。
祐徳稲荷神社が近くなるにつれて、ある時間が気になっていた。
それは、7年前に東日本大震災が起きた時間だ。忘れもしない14時46分、毎年この時間は必ず黙祷をすることにしている。
そして、祐徳稲荷神社に到着した時、丁度その時間となった。立ち止まり黙祷…。すると町のサイレンが時間に合わせて鳴り響いた。サイレンの音に驚きながらも目を閉じる。祐徳稲荷神社を行き交う観光客の楽しげな声が聞こえてきた。
サイレンは丁度一分で鳴り止んだ。

目を開けて回りを見渡すと、黙祷をしている人はおろか、今日が何の日かも忘れてしまっている人の姿がそこにはあった。多分、先程のサイレンの音にも気づいていないかもしれない。これが現実だと、少し寂しさを覚えたが、自分も大切なこと、忘れてはいけないことを時間ともに忘れてしまっていると思うと、あまり変わらないのかもしれない。
でも、東北から遠く離れた地でサイレンが鳴ったことには大切な思いがつまっていると思う。

!登山ルートをYAMAPでチェック!

 この日記に書かれている場所はこの辺りです