日記

市房山
2018.02.02

2日前、登るルートを変更した。なぜなら市房山を登るには市房山神宮への参道からだと思ったからだ。
朝靄に包まれた湯山を登山口へ向けて出発。9時過ぎに風はなく穏やか、静まり返った登山道へと進んだ。

昨日の降り積もった雪をギュッギュッと踏みしめながら歩く。登山道に木漏れ日が差し込み、目の前に一際大きな市房杉が現れた。約1,000年前の平安時代、参道に沿って植えられた杉30本ほどが今も山奥に立ち続けている。遠くから見てもその存在には気付くことは難しく、市房山へ登って初めて巨木に出会うことができるのだ。最大の市房杉の幹回りは8メートルを超える。スタートの地となった屋久島でも屋久杉に圧倒したが、ここ市房山の市房杉もその存在感に圧倒される。
もし樹林に包まれていなければ、遠く離れたところから見てみたい巨木の一つだ。

参道は4合目にある市房山神宮まで続き、神様に挨拶をしてから本格的な登山道に進んだ。4合目から7合目まではかなりの急登が続き、木々の間から眼下に雲海が広がっているのに気付いた。その瞬間「うわー見事な雲海だー」と思わず声が出た。

標高が上がるにつれ、積雪は増えていった。足元は不安定なため、ペースは慎重に。7合目からは展望が開け、晴れ間から霧島山や雲海、九州中央山地まで見渡しながら、ルンルン気分で登ることができた。そして、山頂手前の偽市房山を山頂と思ってぬか喜びしないよう、2年前を思い出しながら登った。

山頂は見事な景色と真冬とは思えないほど気持ちのいい時間が流れていた。
あまりの気持ちよさに、予定よりも山頂に長居してしまった。

下山後に、改めて西米良側からではなく、遠回りしてでも水上村湯山から登って本当に良かったと思った。そういうルートの選択ができる、以前までの自分とは明らかに違うと悟った。

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