日記

瀬戸内海横断
2015.11.22

緊張の朝がやって来た。
海上の波風ともに天気は安定!
津軽海峡を横断して以来、約半年ぶりのシーカヤックとなる。
距離は約10キロと今までの海峡横断の中では最短となるが、島が多く、潮の流れも複雑なため、決して簡単ではない。
また、狭い海峡を行き来する船は、小型船から大型船まで様々だ。
特に、与島から先は大型船の本線航路となり、見た目以上にスピードがあるため、横断のタイミングが難しい。
一歩間違えれば、取り返しのつかない結果となる。

今回の瀬戸内海横断は、昨年に続いて、アドベンチャーレース仲間がサポートしてくれる。カヤックや装備の運搬から回収まで、彼らのサポート無くしては、この海峡横断も実現しない。
さらに、忘れてならないのは、使用するカヤックを貸してくれるバタフライカヤックスさんだ。昨年の和歌山県への横断の時も貸していただいた。さらに今回は、船脚の速い改良型のカヤックをこの海峡横断のために用意していただいた。
どのくらいの速度が出るか楽しみだ。

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三連休中日ということもあり、朝早くからたくさんの人が瀬戸内海へと漕ぎ出す僕を見届けるために集まっていた。その人数は、最終的には50人以上となっていた。
出艇する場所は公にしていなかったのだが、準備している間に、電話やメールなどを使って集まった感じだ。集まった人の中には、カヤックそのものを見るのも初めてという人もいたようだ。
登山以外にも自然を味わう方法が他にもあることを知ってもらう、いいきっかけになったかもしれない。

久しぶりだったのもあり、装備の見落としがないか何度もチェックした。また、たくさんの人が見ている中での準備は、いつもと違うせいかちょっと落ち着かなかった。

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出発は10時半になった。
予定では着岸まで早くて2時間をイメージしていた。
初めて使うカヤックがどれくらいのポテンシャルかは乗ってみないと分からないこともあったから、それくらいだろうと予測した。
また、今日は若潮なので、それほど潮の動きは早くはない。最大でも2ノット(時速約3キロ)ほど、細かい潮の中にはそれよりも速いところがあるかもしれないが、警戒するほどではない。それよりも、行き来する船の方が気がかりだった。

出発して体の動きとカヤックとの連動(パドルで水をとらえてカヤックに力が伝わる感覚や体との一体感など)を確認。ラダー(舵)がないカヤックなので、進行方向の修正には、パドリングやリン(腰を左右に動かして、カヤックを傾けさせること)を多用しなくてはいけないが、フィーリングは幸先いい感じだ。

感覚を確かめている間に、いよいよ、岡山から離れてまずは瀬戸大橋の中間地点与島を目指した。
細かいルートはその場の判断で修正しつつ、他の船に注意をはらいながら、潮の流れが速いところはペースをあげて一気に横切った。潮流は基本的には西から東に流れている。しかし、島が点在しているので、必ずしもそうとは限らない。
漁のために停泊している場所は潮が動いていない場所になるので、漁船の動きや場所も参考にしながら進んだ。

今日一番の潮流は松島沖となる。幅は狭いが2ノットよりもあるような感じの流れがあった。面白いくらいに、潮流に入るとカヤックが左に持っていかれる。まるで川のようだ。
流れがぶつかるところでは、三角波がたち、流れの境では渦が巻いていた。
松島から櫃石島の間も流れが強く、岩黒島に近づいた所でようやく潮が止まり始めた。

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出発してから岩黒島まで30分ほどの地点で、漕ぐのを止めて記念撮影をした。
写真を撮っていると、初めて見上げる瀬戸大橋の内側を、ガタンガタンと大きな音をたてて電車が走っていった。瀬戸大橋に電車が走っていることを知らなかったので、ビックリした。
渡りきるまでの間に何回も電車が通過していったので、かなりの利用があることが予想できた。

あとで地元の方に聞いたが、昔は橋がなかったので、岡山県に渡るにはフェリーが使われていて、フェリー会社もたくさんあったらしい。しかし、橋ができたことで利用者は激減して、今では2、3社しかないそうだ。フェリーだと高松から岡山まで4時間かかっていたが、橋が出来て、車や電車が走るようになってからは1時間で行くそうだ。
そのため、高校生など学生や会社員は香川から通勤通学ができるようになったそうだ。
ただ、強風でよく運休になることがあり、そうなると帰るのが大変となるとのこと。とにかくこの橋は四国と中国地方を結ぶ重要な役割を果たしているということだ。

前半の緊張するところを抜けて大分リラックスできた。与島からは橋の西側に進路をとるので、羽佐島と与島の間を抜けた。
与島まで、約50分で到着した。与島から上陸地点の間が本線航路となる。
ちょうど、大型船が瀬戸内海に入ってきた。
タンカーだー!デカイだけでなく速い!
間近でみると、迫力満点だ。海峡横断の時は大型船が実際にどのくらいのスピードで動いているのかを見ておくと、本線航路を横断するときなどに役立つだろう。実際にこのあと、横断の時にかなり遠くにいた大型船を待つか、先に横断するか迷ったが、結局待つことにした。このときもかなり微妙な距離感だったが、大型船の速度が頭に残っていたので、かなり参考になった。

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与島で10分ほど、補給と大型船通過待ちをして、一つ目の本線航路を安定して渡り、もう一つの本線航路でもう一度大型船を待ってから、香川県坂出市の砂浜に12時過ぎに着岸した。

最終的に、緊張はかなりあったが、予想以上に快適な海峡横断になった。
途中に休憩を入れても、わずか1時間半で横断できたのは、改良型のカヤックがかなりの速度が出せたからだと思う。
カヤックビルダーの方は時速7キロを予測していたが、大幅に上回り平均で9キロを記録していた。MAXでは10キロ出るときもあり、かなりの活躍があったと言える。久しぶりの海峡横断が10キロ位だったのも、気持ちよく終われた一つの要因だろう。
あまりの早さに、サポートのアドベンチャーレース仲間がビックリしていたのが印象的だった。

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香川県坂出市の砂浜には、着岸を心待にしていた人たちが拍手を送ってくれた。
また、瀬戸内海を漕ぎにきたいと思える時間となった。
明日からは四国路を歩く。数日後には寒気が入る予報だ。
ここまで季節外れの暖かさが続いたことに感謝ですね♪

 この日記に書かれている場所はこの辺りです